パンプトラックが地域にもたらす社会的インパクトとレベルに応じた設計の考え方
パンプトラックって、そもそも何?地域に何が生まれるのか?
こんにちは。
今回は「パンプトラックとは何か」、そして「設置することで地域にどんなものが生まれるのか」を少し書いてみました。
パンプトラックはペダルを使わず、体の動き(パンピング)によって進んでいくウェーブ状のコースです。ランニングバイクやスケートボードでも楽しむことができる、多世代が利用できる施設です。
自分自身、子どもの頃に偶然近所にこうした施設がありました。その経験が自転車やマウンテンバイクを始めるきっかけとなりました。だからこそ、今はこうした入り口となる施設をもっと増やしていきたいと考えています。
パンプトラックがつなぐ、健康・学び・地域の輪
少し調べてみたところ、実証実験のデータがとても興味深いものでした。ドイツ・ケルン市3か月間モニタリングを行った結果、パンプトラックでは合計で21,120kmもの走行距離が記録されました。
これは地球を1周半以上した距離に相当。
平均すると1日3,483周、227kmが走られていたことになります。しかも利用者がゼロの日は一度もなく、常に平均10人ほどが同時に利用していたそうです。
利用者の層を見てみると、約60%が子どもで、乗り物の内訳はスクーターが40%、自転車が33%、スケートボードやロングボードが27%でした。また、訪問者のうち88%が地元の人で、12%は市外から訪れていたとのこと。さらに、来場者の約27%は1回の訪問で2〜2時間半をパンプトラックで過ごしていたというデータもあります。
こうした数字を見ると、「施設があれば必ず使われる」という実感が湧いてきます。そして、ただ作るだけでなく、このようなデータをもとに利用者のニーズに寄り添った施設づくりをしていくことがめっちゃ大切ですね。
利用者のレベル別に考える、設計のポイント
初心者やお子さん向けには、安心できる構造を
低めのバンクとなだらかなウェーブ
とにかく転倒しても大丈夫なくらい安全設計
自転車だけでなく、ランニングバイクやキックボードもOK
これがあると「はじめてのお出かけ」にぴったり。安心して挑戦できる環境って大事です。
家族や地域のみんなに向けた、中級者アップ仕様
カーブをちょっと鋭くして、リズム体験を楽しめる設計
連続ウェーブで体幹やスピード調整の練習にもなる
長めの周回できるサイズにして、自然と「もう1周しよう」が増える
家族で遊びに来るたびに少しずつスキルアップできるのって、最高の居場所。自然と会話も増えるし、地域住民のつながりにも効きます。
観光や競技者にも使える、本格設計も視野に
高さのあるバームやジャンプセクションの設置
スキルアップや練習の場として使える構造
大会やイベントの拠点にもできる設計
これがあると、競技者へのアピールにもなるし、観光資源としての成立も現実的に。